大石めぐみのオリジナル作品、「晴れにふる雨」。
無事、本番を終えて、20日ほどが経ちました。
現実世界に戻された今も、なんだかあの世界が忘れられない、そんな気持ち。
いつものライブレポートでは、本番当日の裏側を書いているけど、今回は特別版ということで、リハーサルから遡りたいと思います!
始まりの瞬間は、こちらの記事をチェックしてね。
言っとくけどこれ、長いから!よろしく!笑
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今回はわたしを含め、バンドメンバー全員が未知の領域だった、オリジナルダンス作品との融合。
やってみなくちゃわからない部分がいっぱいあったけれど、まずはお互いの足元を固めようということで、最初はダンサーズとバンド、別々にリハーサルをしてたんだ。
だから、お待ちかねの合同リハーサルでは、お互いの作品を持ち寄るような感じだったよ。
普段考えられない広さのスタジオを借りたけど、パンドが収まるスペースは全体の三分の一くらい。
本番の舞台を想定して、めぐちゃん達を迎え入れました!
広い、広いと思っていたスペースも、めぐちゃんとみよちゃんが踊りだすと、当然のごとく狭い。
運動音痴のわたしとしては、壁に足や手をぶつけやしないかとハラハラしたんだけど、プロのダンサーさんには要らぬ心配でした、、、
そう、めぐちゃんはプロのダンサー。
頭の中にある情景や言葉を、わたしが歌で表現するのと同じように、めぐちゃんは身体で表現する。
ひとの身体って、こんなに細やかな表現できるの?って驚くくらい、鮮やかに。
だけどね、それを口や文章で伝えるのは、めっちゃ下手でね。笑
本番直前まで、メンバーへのイメージ共有は、わたしのフィルターを通してやってたんだ。
でもやっぱり、本人が伝えないとわからない部分もあるでしょう?
そこは、バンマスをお願いしていたオバタさんへ、じっくりと伝えてもらいました。
このなりで。。
不審~!顔見えないし!
最初は戸惑っていたオバタさんも、真剣に打ち合わせ。し出したら今度は周りが笑い出す始末。
見てはいけないもの、的な光景になってました。笑
入念なすり合わせの結果、最後の通しは文句なしにばっちり決まったよ。
今思い返しても、全員が本番さながらなポテンシャルで、すごく良かったな。
ここで一気にチーム感が上昇!みんなの中で、「晴れにふる雨」が1つの同じ物語になった瞬間でした。
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本番前日の土曜日、各々が山梨へ。
寒かったけど、雪が降るでもなく、渋滞しているわけでもなく、順調な往路。
談合坂サービスエリアで、ごはんでも食べよう~と立ち寄ったら、想像を絶する風景が、、、
見慣れない積雪量に、思わず笑顔。笑
これ、たどり着く先はどんなもんか、とハラハラしてたんだけど、南アルプス市が近づくにつれ、徐々になくなる雪景色。
後から山梨チームに聞いたら、前の週雪が降った時、南アルプス市より甲府の方が積もったんだって。
なにはともあれ無事にたどり着いて、会場のあやめホールを目にすることができました!
本当に素敵な会場で、イメージがぶわーっと広がったよ!
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まずは会場づくりから。
天井から照明を降ろして、角度を調整したり、色を決めたり。
今回ひときわ良い音を放っていた素敵なピアノは、なんとベーゼンドルファーのフルコン!
柔らかくて素敵な音でした。直前に調律してもらったよ。
各々セットは入念に。
アニさんには今回、ドラムの他に、効果音的なところも多数参加していただきました!
自分の声やバンドのみんなの音がしっかり拾えるよう、モニターもチェック。
角度も結構大事だったりします。
そして、場当たり。
実際に動きながら、照明さんや音響さんとの打ち合わせ、、、いや、バトルって感じかな。笑
みんながそれぞれのプロだから、どうしても妥協できない部分も多くて、結局かなり遅くまでやったよ。
いつも本番前と本番直後は興奮しちゃってあんまり寝れないんだけど、この日はクタクタすぎて即就寝。
山梨の夜、ほんと寒かった、、、
でもおかげで、しっかり温かくして、熟睡して、本番を迎えることができました!
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そしていよいよ本番の朝。
晴れ女と名高い大石めぐみが、奇跡的な天候を引き寄せたよ!
やっぱりお天気がいいとテンションもあがるよね。
ランチライブよりも早い集合時間もなんのその、サウンドチェックも弾みます。
朝一番でもばっちり冴えた音は、さすがの一言。
慣れない環境でも、いかなる緊張があっても、このメンバーに背中を守ってもらえていると、驚くほど落ち着いて、かつノッて歌えちゃうから不思議。
その腕やお人柄に、感謝は募るばかりです!
しかし、本番あるあるで、待ち時間も長いもの。
特に今回はライブというわけでもないので、ダンサーズの場当たり中は、もっぱら待機。
となると、遊びだす、大人。。
後姿もそっくりのおふたり、落書きが止まりません。。
わたくしはセーターがきつね色だという理由だけで、めぐちゃんの一張羅を拝借。
こんなことをしていたら、あっという間に本番になりました。笑
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本番は16時公演と19時公演の2回。
16時の回は、ほどよい緊張感と、客席いっぱいのこども達と、そのご家族と一緒に。
わたしは、ともかく丁寧に、正確に、めぐちゃんの世界を表現することに集中していました。
こども達には、大人以上に綺麗な言葉を聞いてほしいという気持ちもあって、「歌詞を喋る」ということを一番意識していたかもしれない。
こちらが真剣だと真剣に見てくれて、面白いと思ったものは真剣に目で追って、飽きたら眠くなる。
素直なこども達の反応は、ある意味すごく勉強になりました。
そんなキッズの中に実は、こんな可愛いお客様も♡
(あっ、大人の落書きの全貌が、、、)
実はこの美人姉妹、オバタさんのお嬢さんたち!
可愛いでしょ〜っていうかそっくりでしょ〜もうオバタさんだよね〜間違いようがないよね〜笑
公演中、「ぱぱ〜」って小さい声が聞こえて、もうお姉さん胸キュンでした!!
そして、19時の回は打って変わって大人の公演。
本番を一回経て、それぞれの自由演技も目立った回でした。
2公演それぞれ違った雰囲気になるだろうとは思ってたけど、想像以上に違う作品になっていたと思う。
色っぽく、艶っぽく、そして少し胸が苦しくなるような公演だった。
めぐちゃんの即興も、圧巻の一言。バンドとのシンクロ率も最高でした!
バンドが踊りを引っぱり、歌が踊りに引っぱられ、お互いがお互いを刺激しあうステージ。
奇跡的な化学反応が、いくつも起きていたよ。
おまけ、わたしの歌以外の一番の大仕事、トイレットペーパー投げ。
見て、この必死さ。笑
これは、見ていたひとじゃないと解せないシーンだと思うけど、唯一物語に参加した一幕、だったよ〜。
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全ての公演を終えて、物語の余韻と充実感を味わいながら、楽屋へと戻る音楽隊。
その時、わたしの目をかすめた、白い四角いシルエット、、、
わたし「あれ、アニさん、もしかしてそれ、つけたまま出てました?笑」
アニさん「、、、え?(背中に手をまわしながら)」
一同爆笑。
いやいや、寒かったですからね。これぞ一流エンターテイナー!笑
外に出たら、満月も笑っていました。
澄んだ深い青い空にまん丸くぼんやりと輝く月。
「晴れにふる雨」の世界が、現実と同化したようで、なんだか言葉にしがたい気持ちになったよ。
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最後に改めて、出演者をご紹介!
後列左から時計回りで、ピアノの荒井旭さん、ギターのオバタコウジさん、ベースの林由恭さん、ドラムの林久悦さん、傘持ちのかよさん、娘役のかさいみよちゃん、狐そして母役の大石めぐみ、わたし。
ありきたりではあるけれど、誰が欠けても実現し得ない公演でした。
そして、地方で1回きりにするには、本当にもったいない作品。
出演者全員が、出演者ながらに太鼓判を押せる、素敵なメッセージを持った作品です。
ということで、実は今、再演に向け始動中。
いつ実現できるかわからないけれど、必ずしたいと思っています。
そして、今回観れなかった虹猫ズを含め、たくさんの人に観てほしい。
その時には必ずお知らせするので、是非足を運んでね。
晴れにふる雨は、きっと、あなたの道をきらきら照らすでしょう。
2016.2.11 玲