2016年4月11日。
つい先日までのポカポカ陽気がほんの少し下がって、本来のこの時期らしい気温だったこの日。
たくさんのことを思い出しながら、いろんな想いを胸に、横浜へと向かいました。
が、多少ひんやりしようとも、春は春。
春眠暁を覚えずとはよく言ったもので、最近寝ても寝ても眠たいわたくし、電車に揺られて夢の中へ、、、
多分、15分くらいだと思うのですが、ハッと目が覚めると、とんでもない事件が起きていたのです。
無くなってたの!足に挟んでいたはずのスーツケースが!!
びっくりして、思わず立ち上がろうとしたその時。
向かいの席に、見覚えのあるスーツケースを片手に、完全に困り顔で笑っているお姉さんがひとり、いらっしゃいました。
どうやら、寝ている間に足の力が緩んで、スーツケースが向かいの席まで遠足したようでして。
察するに、優しく声をかけていただいていたのですが、イヤホンで音楽を聴いていた為気が付けず。。
これでもかというほど謝り倒しながら、赤面のまま電車を降りたのでした。笑
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そんなハプニング始まりのこの日、まだまだハプニングは続く。
会場に着くやいなや、なんと入口に「本日貸切」の文字。
貸切??と思いながらドアノブを回すも、やはり開かず、ふと横を見ると、こんな看板が、、、
いやいや?矢印の向いている方向は、どう見ても姉妹店のKing’s Barさんだし?
昨日までやり取りしていたのにまさかの閉店?おやおや??
困惑していると、King’s Barのオーナーさんが顔を出し、「横井さん?」と声をかけてくれました。
聞けばお店の諸事情で、急きょ会場をKing’s Barに変更してもらえないかとの事。
止ん事無き理由だったので、もちろん大丈夫ですよとは言ったものの、慌ててメンバーにメールをしたり、Twitterでつぶやいたりとてんやわんや!
おかげでリハーサルの写真は一枚もございません。笑
こうして横浜の夜はバタバタと幕を開けたのでした。
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1st Stageは、旭さんとわたしのふたりきり。
スタジオで、何から始めようか〜なんて話をしている時、旭さんが何気なく弾き始めたのが、オープニングに歌った『You gotta be』のイントロだったの。
ワンマンでカバー曲から始めるなんて無いんだけど、わたしも旭さんも大好きな曲だし、何よりBarに似合っていいなって思ったんだ。
そんな思いつきが功を奏して、ふたりともが慣れ親しんだこの曲で、しっかり息を合わせて、心地よいスタートを切ることが出来ました!
いくら旭さんと、とは言え、ピアノと歌って本当にごまかしが効かなくて、その分やっぱり緊張するのね。
でもその緊張があるから、言葉の発音とか語感とか、いつも以上に気を付けるの。
そうやって歌ってると、自分が書いた詩なんだけど、なんだか体に染み込んでくるんだ。
バンドだとどうしても、人数も多いし音圧もあるから、別のところに気がいっちゃいがちだけど、わたしが本当に大切にしたいのは言葉だから。
デュオライブは、そういうのをちゃんと思い出させてくれる機会でもあります。
人数も最小限で音圧もないのに、別のところに気がいっちゃいまくる編成も、あるけどね。
まだまだ慣れない、弾き語り。笑
実は4か月ぶりのお披露目でした。もっと見せて、魅せていかなくちゃ。
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今回はある意味ほとんどの曲が大幅アレンジだったんだけど、中でもテンポからリズムから大きく変えてみたのは『Take a Chance』。
実はあんまり合わせずに本番を迎えたんだ。
なんて言うのかな、音遊びしてるような感じがすごく良かったから、あんまりキッチリしたくなくて。
まさに旭さんとじゃなくちゃ出来なかったアレンジ、とっても楽しかった☆
個人的に意外だったのは、みんなからの手拍子だったんだけどね!
よくこんなふわふわしたところに手拍子できるなと思って。笑
でも、録音聞いたら、やっぱりみんな難しそうだった〜笑
なんだかこんなのもバーライブの醍醐味だなって思いました♪
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2nd Stageからは、スペシャルゲストを迎えて華やかに!
Micaと一緒に歌いたいなって思った時、最初に浮かんだのが『Dress Up』だったの。
本来ハモりパートが肝のこの曲、やっぱりあると違うでしょう?
わたしがひとりで歌うのとはまた違ったカラー、楽しんでもらえたかなって思います。
それから、Whitney HoustonとMariah Careyのデュエットで有名な『When you believe』。
これはMicaとじゃなきゃ出来ない一曲。ソウルフルなハーモニー、いいよね!
楽しかったな〜、またやりたい!
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そして、お店が変更になったからこそ起こせたミラクルがもうひとつ。
King’s Barさんの持ち物をお借りして、『Paper Birds』は急遽ウッドベースでお届けしました!
ヨッシーさん、お店に入って来るなり「これ、弾いてもいいですか?」と即交渉。笑
ウッドにするならこの曲だよね、と満場一致で決まりました。
イントロとアウトロにはブルースハープまで入れてもらって、なんとも贅沢な仕様に!
わたしもつい気持ちが入ってしまって、すごくブルージーな『Paper Birds』になったよ。
他の曲はみんなフレットレスベースで演奏してもらいました。
これも、いつもバンドで使っているベースとは違ったもの。独特の風合いがあるよね。
『ノイジー』や『言えずじまい』、すごく気持ちよかった!
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本編最後にはもう一度Micaを招き入れて、『Couse of Love』を。
Micaとじゃなきゃ、お酒が入ってなきゃ絶対やらない振り付きでした。笑
自分の曲を歌ってもらうとより一層わかるんだけど、Micaは本当に明るいんだ。太陽みたい。
だから一緒にいるとつられて、気持ちがパッと明るくなる。
学生時代からよく言われてたんだよね、太陽と月みたいとか、見た目も、濃いのと薄いの、黒いのと白いのでオセロだねとか。笑
そんなある意味正反対だからこそ、歌でも私生活でも、足りないところを補い合える良い関係なの。
虹猫ズにもMicaを知ってもらえて、嬉しかった!
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最後のアンコールでは、『虹の雨』を歌いました。
直前まで、歌おうか、歌うまいか悩んだけれど、やっぱり歌うことにしたよ。
わたしの父は、絵を描くひとで、音楽が大好きでね。
わたしも小さいころから図工や音楽が大好きだったから、父とはとても相性が良かった。
それからお酒が大好きで、よくお友達と飲み明かしてたの。
お酒を飲むと、泣いたり怒ったりするひと、居るでしょう?
父は、楽しいお酒しか飲まなかったんだって。
子供ながら、父の周りには楽しそうなひとが集まるなって思ってたんだ。
4月11日は、そんな父の命日でした。
もう随分と年月が経って、記憶も色褪せていますが
この日は人生で一番悲しい想いをした日でもあり、出来るだけ笑顔で居ようと誓った日でもあります。
だから毎年、その時の自分が一番心安らげる相手と会うよう、心がけていたの。
苦手な人に会ったり、辛い想いはしたくなかった。
日々いろんなことがあっても、この日は笑っていたかったから。
今年初めてこの日にライブをやると決めて、絶対に泣かないつもりだったのに、やっぱりダメだった。
年を追うごとに悲しみは薄れていくのに、ライブを観てもらいたかった、一緒にお酒を飲んでみたかった、いつかお嫁に行く時にはそこに居てほしかった、そんなどうしようもない想いがめぐるものです。
でも、父のことを想って涙するなんて、本当に久しぶりのことでした。
冷たいようだけどひとってそんなもので、どんどん忘れていく力を持ってるんだよね。
だから、たまにはこんな日があってもよかったのかな、と思ったり。
自分の未熟さに悔しさを覚えつつも、長年わたしを支えてくれている旭さん、いつも力になってくれるヨッシーさん、大親友でもあるMica、そしてわたしを、わたしの歌を好きだと言ってくれる大切な虹猫ズと、お酒を飲みながら大好きな歌を楽しめたこと。
とても嬉しかった。
一緒に過ごしてくれて本当にありがとう。
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さあそして次回はなんと!今週末!!
3年ぶりに、福島におじゃまします!
実は、福島県出身の虹猫ズがとっても多いの。
だから、福島に行けるの、すごく嬉しいんだ♪
弾丸スケジュールで、堪能とまではいけないかもしれないけど、福島の空気やひとの温かさ、しっかり触れて帰ってきたいと思います。
地元虹猫ズに会えますように!
【セットリスト】
~1st Stage~
You gotta be(Des’ree カバー)
The morning sun rises
走り去る赤
晴れにふる雨
あなたの部屋(弾き語り)
Take a Chance
Beautiful World
~2nd Stage~
Dress Up with/Mica
When you believe(Whitney Houston&Mariah Carey カバー) with/Mica
ノイジー
Paper Birds
言えずじまい
夏の夜
Course of Love with/Mica
~Encore~
虹の雨